
「維新に期待したが、残念です」
維新は、国民民主党などが主張するガソリンの暫定税率の撤廃についても、吉村氏が、
「与党を巻き込んで、協議した方が実現する可能性が高い」
と語り、自民・公明と足並みを揃える方向を示した。
これに対して国民民主党の玉木雄一郎氏はXで、
〈維新に期待しましたが、(中略)自民党・公明党と賛否が全く同じです。これでは手取りは増えません。残念です〉
とポストし、不快感を示した。
吉村氏は満足げだが、3党合意は野党間だけでなく、維新内部にも大きなしこりが残した。
3党合意の直前、維新は両院議員総会を開いた。そこでは、3党合意に反対意見が続出した。参加していた維新の国会議員A氏によれば、
「こんな中途半端な案では認められない」
「あまりに安い予算レベルだ」
「維新は改革政党ではないのか。自民党と一緒になってどうするんだ」
などと執行部批判が相次いだという。
「両院議員総会は大荒れでした。途中で委員会があったりしたので、2度中断してなんとか合意をとりつけた。国民民主党が要求していた『103万円の壁』の引き上げは、予算としては6兆円、7兆円の影響が出る規模。それに対して維新の『高校無償化』を採り入れるには25年度予算案を1000億円ほど修正すればよくて激安。その点も『なんでそんな安上がりで合意するんだ』という意見がかなりありました」(A氏)
反発していたのは馬場伸幸前代表に近い国会議員が多かったという。それでも、最後には全員が賛成するものと思われたが、多数決を採ったところ、前総務会長の柳ヶ瀬裕文参院議員がただ一人、反対の意思を示したという。
A氏はこう危機感を募らせる。
「維新の分裂が近くなったなという気がします。分裂後に維新から出た人が新党を結成して、自民党と連立を組むのではないか」
他の維新議員らに聞いても、
「閣僚ポストを約束されれば、馬場前代表についている人は、維新を割って新党でまとまるかもしれない」
などという言葉が次々に出てくる。