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 日本で一番売れているヨーグルトのブランドは「明治ブルガリアヨーグルト」だ。1970年の大阪万博をきっかけに誕生した商品は、いかにして支持されるブランドに育ったのか。経済ジャーナリストの高井尚之さんがリポートする――。

ヨーグルトで首位の「明治ブルガリアヨーグルト」の秘密

 家庭での食事を中心に喫食される「ヨーグルト」の市場規模は約4730億円という巨大市場だ。ブランド別の首位は「明治ブルガリアヨーグルト」(1973年発売)で、メーカー別では「明治プロビオヨーグルト R-1」ブランドも持つ明治がシェア35.8%で首位(2023年度インテージ社SRI+による)という。

 現在、日本の消費者にとってヨーグルトはどんな存在なのか。

 「食生活の定番として浸透し、喫食経験がある人は約8割となっています。ただし、大半が朝食メニューです。私が担当する『明治ブルガリアヨーグルト』についていえば、約9割という高い認知度があり、毎日150万~160万個を食べていただいています」

 こう説明するのは、明治 グローバルデイリー事業本部の淡路大志氏(発酵マーケティング部 ヨーグルトグループ グループ長)だ。

 だが、近年のヨーグルト市場全体は微減傾向にあり、商品価格は上昇している。

 おいしさと健康機能性を中心に各社それぞれのこだわりで商品提案を行うが、健康食品は多種多彩でヨーグルトの独擅場ではない。それでも乳酸菌の持つ多様な働きやたんぱく質訴求など、ヨーグルトの魅力は堅く、プレーンヨーグルト市場は伸長している。

 そこで、明治ではさまざまな切り口で消費者訴求を行っている。

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