そして、懸念されているのが、これまで十分な収入を得られなかった中高年層が、退職し、高齢者になったとき。年金だけでは生活が難しいという人たちを、社会はどう支えるのか。そのためには今、どんなことが必要なのでしょうか。

「目先の人材不足への対応だけに注力し、能力主義やスキルアップ、キャリア形成、人材流動性などに対する将来的かつ俯瞰的視点が欠けている。また、インフレや経済格差が広がる中で根本的な対策が欠けており、一時的に新卒や若手の給与が上がっても社会全体の景気・消費向上につながっておらず、現役世代はもちろん若者の将来への不安は払拭できていないと感じる」(50代、男性、会社員)

「少子化が進む中、若い方にお金が回ることは良いことだと思う。ただ氷河期世代の人間としては、世代格差を増大させない為にも、若い方のみならず全世代の所得(手取り)を上げていくことも同時に必要だと思う。氷河期世代は非正規雇用も多いままこれから高齢者となり、年金だけで暮らせない方が増えていくので、その対策も急務であると思う」(50代、男性、会社員)

「若手の給与が上がる事は良い事だと思う。ただ、団塊ジュニア、就職氷河期の自分達が犠牲になる事によって上のバブル世代、下のゆとり世代の雇用を守ったという事を、日本国民全員が周知の事実にする事を徹底して欲しい。その上で、団塊ジュニアを中心に、就職氷河期世代の税制優遇、年金の追加、リスキニングの全額負担を国が支給するべきだと思う」(50代、女性)

「社会的に大手の若手給料は上がっている傾向がある反面、追随出来る企業は僅かだと思います。これが続くと更に中小企業は人材確保が厳しくなり、廃棄や倒産するのでは無いかと思います。政府は中小企業への支援が必要だと伝えたいです」(40代、男性、会社員)

「若手の給与が上がるのは売手市場や物価高騰なので致し方ないが、若手だけでなく子育て世代や親の介護をしている世代も働きやすい社会となると良い。また、様々な理由で子供が持てない人や独身者に、制度や規則で不公平感を感じさせない事が、全ての人にとって良い社会だと思う。政治家も定年制度を導入した方が良い。この格差社会をどうにかしないと子供は増えないし、優秀な人はどんどん海外へ移住してしまうと感じている」(50代、女性、会社員)

(AERA dot.編集部)

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