その原因について前原共同代表は、20日の会見で「我々の支持を下げたのは、地方組織で不祥事、あるいはさまざまな問題が散見される」と述べ、昨年11月の兵庫県知事選での混乱の原因に3人の維新の県議が関わっていた問題を暗示した。

会見で、立花孝志氏への情報提供について説明する兵庫県議の(左から)増山誠氏、岸口実氏、白井孝明氏=2025年2月23日

 兵庫維新の会は2月26日、政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首に備忘録として書いた真偽不明の文書と10月25日の百条委員会の音声データを渡した増山誠県議を離党勧告処分とし、別の日に立花氏に会って文書を渡したとされる岸口実県議を除名処分、自殺した元西播磨県民局長について立花氏と電話で話した白井孝明県議については、今後、対応を検討するとした。

吉村代表は「議員辞職するべきだ」

 だがこれで問題は終わらない。日本維新の会では特別党員(議員や首長)に就任するにあたって「誓約書」に署名することになっており、「除名処分を受けた場合は、議員又は首長の公職を辞職します」との一条がある。吉村代表も2月25日、「維新の公認で当選してきている以上は議員辞職するべきだ」と明言した。

「野党なのに予算案に賛成するという、非常に重い決断を皆さん方にお願いすることになった。政策の中身や運び方など、皆さん方からさまざまなご指摘を踏まえた上で、私から『しっかりと取り組んでいく』との決意を述べ、石井章両院議員総会会長に採決していただき、ひとりを除いて賛成していただいた」

 3党合意が決まった後の会見で、前原共同代表はこのように述べた。反対した「ひとり」とは柳ケ瀬裕文参院議員のことだが、因果は巡るものなのだろう。その姿勢は2022年度当初予算案に賛成しなかった国民民主党時代の前原氏の姿と重なって見えたのは、筆者だけだろうか。

(政治ジャーナリスト・安積明子)

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