「執行部はただガス抜きをするつもりだったのだろうが、想像以上に日頃のうっぷんが噴出した」と、ある維新の議員が語る。背景にあるのは、吉村・前原体制への不満だ。昨年10月の衆議院選の結果を受けて、馬場伸幸前代表ら前執行部が退陣。代表に選出された吉村洋文大阪府知事が、入党したばかりの前原誠司衆院議員を国政での要となる共同代表に就任させたことに、前執行部派は不満を抱いているという。

 実際に2月13日に代議士会が開かれ、浦野靖人衆院議員が「一部の人間だけで政策を決めている」として、現執行部の党運営について厳しく批判したことがあった。浦野氏は2月5日、維新が他の野党に呼びかけている参院選の予備選や、現執行部が週に1度開く「幹事会」の在り方などについて疑問を呈する文書を提出。12日の役員会の後に回答を求めていたが、期日までに得られなかった。

「前門の虎」と「後門の狼」が

 昨年12月に吉村代表が提唱した「仲間内で飲食し、親睦を図る場合は自腹で、他党などと接触して飲食をする場合は、1人あたり上限5000円」というルールについても、批判は及んだようだ。「ルールについては提唱されたものの、正式に決まったわけではない。飲食については従前通りということが、前執行部派に『今の執行部は口だけか』と追及された」と前出の議員は説明する。執行部派でも前執行部派でもない中間派からも、「旧文通費の使途の公開のように、明文化したルールになっていなくても、党として『やろう』ということになればできるはずではないか」との意見も出たという。

 しかもこれは「前門の虎」にすぎず、「後門の狼」も存在する。

 というのも、日本維新の会は規模としては野党第2党だが、政党支持率では第3党の国民民主党の後塵を拝しているからだ。たとえば2月21日から23日まで行われた日本経済新聞社とテレビ東京による世論調査では、日本維新の会の政党支持率は6%、次期参議院選での投票予定は7%に対し、国民民主党の政党支持率は13%、次期参議院選での投票予定は14%で、およそ2倍の差を付けられている。

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3人の県議が関わっていた問題を暗示?