TOEIC L&Rで培った資産を活用しよう
「そうはいっても、TOEIC L&R対策だけで忙しいのにそんな余裕はないよ…」という人も多いだろう。一つの目安だが、TOEIC L&Rが800点を超えるあたりまではひたすらL&Rに集中することをお勧めする。800点以下、つまり語彙力(単語と表現)、文法・構文力が不足しているレベルでは、アウトプットをしようにも手持ちの素材が貧弱だ。
他方で、S&W練習をすることは L&Rのスコアにも好影響がある。外国語の習得はインプットとアウトプットが絡み合い、らせん状に成長していくことで本当の実力が身に付く。TOEIC L&Rのスコアを伸ばしても、アウトプット練習をしないと、学んだ知識が記憶から薄れていくだけだ。これでは費やした時間や努力がもったいなさすぎる。
スピーキングテスト激増「前夜」か
「TOEIC L&Rで900点でも英語が話せない」という日本人はざらにいる。これが問題視され、日本でもスピーキングテストが激増することを願いたい。今は、前夜のように筆者には思える。
韓国には20年近く遅れをとってしまったが、社内公用語を英語にするなど徹底的な改革を行うケースもあるし、スピーキングテストを導入する企業も着実に増えつつある。
最後に、エントリー的なスピーキングテストを二つ紹介しよう。まずは、「Progos」。スマホで受けられる無料のテストで、数分以内に語学能力の国際指標CEFRに基づいたレベル判定と、診断結果が返ってくる。
もう一つは、有料ではあるが「Versant」もオンラインで手軽に受けられる。これもCEFRに基づいており、世界中で採用されているテストだ。やはり数分で判定と診断結果が返ってくる。
スピーキング力の確認は都度、行うと良い。自分の弱い部分を認識し、そこにフォーカスすることで効率的にトレーニングできる。自分では意識していなかった長所を診断で指摘されて、モチベーションが上がることも期待できる。
とにかく最初の一歩を踏み出さないことには始まらない。スピーキングテストを実際の会話力に効果的に直結させるためのポイントは、また別の機会にお伝えしよう。
(松尾光治:パタプライングリッシュ教材開発者)
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