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3月2日に「東京マラソン2025」が開催される。近年の箱根駅伝出場選手を見ると高反発の厚底シューズが定番だが、一般市民ランナーにとっては必ずしも正解ではないようだ。
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制限時間ギリギリで、苦しそうに走る最終ランナー。その足元に視線を向けると、海外有名メーカーのトップモデルの厚底シューズを履いていた。
「象徴的な光景でした。『普通のシューズを履いていれば、もう少し速く走れただろうな』と感じました」
「ランナーズマイスター」の茂成潤さん(59)は、昨年のあるマラソン大会を振り返り、こう話す。ランナーズマイスターとはアールビーズスポーツ財団が認定するランナーの指導資格だ。
茂成さんは、地元・岡山でモミジヤACランニングクラブ(約120人)を主宰する、スポーツ用品店モミジヤスポーツの代表取締役。
初めてフルマラソンに挑んだのは45歳のときだが、これまで30回あまりの完走歴を持つ。東京マラソンのベストタイムは3時間25分。毎週日曜の練習会には中学生から70代まで約20人が参加し、10キロを走る。
「中心メンバーは40~60代。いくつになってもフルマラソンで『自己ベスト更新』を目標に走る、チャレンジ精神旺盛な方が多い」(茂成さん)
昨今のランニングシューズといえば、「厚底」のイメージがあるが、厚底シューズを履くメンバーは「ほとんどいない」という。
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「薄底」から「厚底」へ
厚底のランニングシューズが本格的に登場したのは2017年。ナイキが立ち上げたフルマラソン2時間切りを目指すプロジェクト「Breaking2」で、ケニアのエリウド・キプチョゲ選手が同社の厚底シューズを履き、2時間00分25秒という驚異的な記録を打ち立てた。
東京大学大学院で「走り」を科学的に分析する研究者で、今年の箱根駅伝で関東学生連合チームの主将を務めた古川大晃選手は、こう語る。
「それまでの競技用シューズは『軽さ』が重視されていました。軽ければ軽いほどランニングエコノミーと呼ばれる『走りの燃費』がよくなるからです」(古川さん)