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「カープの名を汚さないよう頑張っていた」
番組でインタビュアーを務めたのは広島OBの中田廉氏。広島一筋で14年間プレーし、2年先輩の前田と公私で関係が深い。心の内をさらけ出せる間柄ということもあるのだろう。前田が明かした内容は濃密で、広島への思いを聞かれると、こう語った。
「おれがポスティングで渡米が決まって、広島の街を離れるとなった時に、最後にいつも行っていたお店とか、よくしてくれた人に挨拶に行くわけやんか。その時にプレゼントを用意してくれていたり、『アメリカに持って行って』とか『今までありがとう』とか、いつも行っていたコーヒーショップの店員さんが『寂しいです』と泣いてくれたり。デパートがおれの名前で垂れ幕を出してくれたり。そういうのを見た時に、おれ、この街でめっちゃ応援してもらっていたんやな、めっちゃ幸せだったんだなと。いろいろな人に応援してもらっておれはここで野球を頑張れたんだなって。感謝の気持ちはずっと持っているし、メジャー挑戦を応援してくれているから、絶対アメリカでいい成績を残そう、と力になった」
「広島に住んでいたら応援してもらうのが身近だし、ファンの人にも街で会うけど、アメリカに行くと、あんなに街の人が応援してくれる環境って当たり前じゃなかったんだ、広島の街って特別だったとすごく感じた。広島の人が応援してくれて、期待してくれるからおれは応えようと思っているし、カープから来た選手は素晴らしいと思われる選手でありたいなと、カープという球団の名を汚さないようにと思いながら頑張っていたかな」
「いい状態で戻らないとチームに迷惑をかける」
ドジャース在籍の4年間で3度2ケタ勝利を挙げる活躍をみせた前田だったが、右ひじを故障し、ツインズ移籍後の21年にトミー・ジョン手術を受けた。FAでタイガースに移った昨年は3勝7敗、防御率6.09と不本意な成績に終わっている。今年がタイガースと2年契約の最終年。以前から日本球界への復帰を口にしてきた前田だが、気になるのはそのタイミングだ。今年4月で37歳になる年齢を考えると、決断の時が迫っていると感じる。
「もう一度日本でやりたいとずっと言ってるし、しっかりパフォーマンスを出せる状態で戻らないとチームに迷惑をかける。タイミング的にはこの1、2年で戻らないと自分のめちゃくちゃいい状態では戻れない」
「(通算200勝は)日本のファンの人の前で達成したいと思っている。日本のファンに応援してもらって頑張ってきたわけやから。日本のファンの前で達成したほうが、自分としても達成感はあるし、うれしいかな」