今季がプロ入り4年目となる松川虎生
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 プロ野球の世界で最もエリートと言われるのが高校からドラフト1位で指名されることである。今年メジャーでプレーする日本人選手を見てもダルビッシュ有(パドレス)、前田健太(タイガース)、菊池雄星(エンゼルス)、大谷翔平ドジャース)、松井裕樹(パドレス)、小笠原慎之介(ナショナルズ)、佐々木朗希(ドジャース)と高卒ドラ1の割合は非常に高い(佐々木のみマイナー契約)。

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 では近年プロ入りした高校生のスター選手は現状どうなっているのだろうか。2020年以降に指名された高卒ドラ1選手の現状をまとめてみたいと思う。

 まず最も順調にキャリアを重ねていると見られるのが高橋宏斗(中京大中京→2020年中日1位)だ。1年目こそ二軍でも苦しんだものの、2年目には一軍に定着。2023年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でもチーム最年少で出場して優勝に貢献した。昨年は初の二桁勝利をマークして最優秀防御率のタイトルも獲得すると、オフに行われたプレミア12でもエース格として活躍を見せた。

 ちなみに昨年の防御率1.38は球団歴代トップの数字で、被本塁打数1というのも2リーグ制後に規定投球回数に到達した投手では歴代最少記録である。今年も順調にいけば投手タイトル争いに加わる可能性は高い。また国際大会での活躍もあって既にメジャーの球団からも注目される存在となっており、近い将来激しい争奪戦が繰り広げられることになりそうだ。

 高橋と同じ学年では山下舜平大(福岡大大濠→2020年オリックス1位)も3年目の2023年に9勝をマークして新人王を獲得。しかし昨年は怪我もあって大きく成績を落とした。また井上朋也(花咲徳栄→2020年ソフトバンク1位)も一昨年は一軍でプロ初本塁打を放ったものの、昨年はわずか5試合の出場でノーヒットに終わっている。チーム内の競争は激しく、今シーズンが一軍定着のために非常に重要なシーズンとなりそうだ。

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2021年組はピッチャーの苦戦が目立つ?