そしてここまで苦戦が目立つのが翌年の高卒ドラ1の選手たちだ。最も早く頭角を現したのはキャッチャーの松川虎生(市和歌山→2021年ロッテ1位)だった。1年目には田村龍弘の怪我もあっていきなり開幕スタメンに抜擢。4月10日のオリックス戦では佐々木とバッテリーを組んで完全試合の快挙達成にも大きく貢献した。ちなみに佐々木、松川の2人は完全試合を達成したバッテリーの合計年齢の史上最年少記録である。最終的に1年目は76試合に出場し、高卒ルーキーとしては上々のスタートを切った。

 しかし翌年は2年連続で開幕一軍入りこそ果たしたもののわずか9試合の出場にとどまると、3年目の昨年は一軍で2試合出場とさらに出番を減らしている。気になるのは二軍の成績も芳しくないという点だ。一昨年は二軍で99試合に出場していたが、昨年は44試合と半数以下となっている。松川が低迷している間に佐藤都志也が成長し、後輩である寺地隆成も昨年ルーキーながら二軍で見事な成績を残しているだけに、今年成長したところを見せることができなければ正捕手定着は大きく遠のくことになりそうだ。

 松川以上に苦しんでいるのが小園健太(市和歌山→2021年DeNA1位)、風間球打(明桜→2021年ソフトバンク1位)、森木大智(高知→2021年阪神1位)の投手3人だ。小園は昨年一軍デビューを果たしたものの3回途中5失点と試合を作れずに負け投手となり、それ以降は二軍暮らしが続いた。風間、森木の2人にいたっては二軍でも低迷し、今年から育成契約に変更となっている。特に風間は昨年オフのウインターリーグでもストライクが入らず、完全にフォームを崩している印象だった。

 そんな中で成長を見せてきているのが達孝太(天理→2021年日本ハム1位)だ。2年目までは怪我もあって二軍でも結果を残せなかったが、昨年はチームトップタイの6勝をマーク。シーズン終盤には一軍でも初勝利をマークしている。同期入団で育成ドラフトから一軍の戦力となった福島蓮(八戸西→2021年日本ハム育成1位)、柳川大晟(九州国際大付→2021年日本ハム育成3位)の活躍に刺激を受けて、今年はさらなる飛躍に期待がかかる。

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2022年組は巨人外野手らが順調に成長