「清潔感」を誤解して失敗する人

 身だしなみは人と良好な関係を築くさいの最初の入口です。清潔感がないと判断されると、信頼どころか避けられる可能性さえあります。清潔感の有無は人間の生理的な感覚を刺激しやすく、理屈ではなく本能的に「OK/NO」が決まるからです。

 NOとなれば致命的で言葉での言い訳も効かない重要ポイントです。しかし、それにもかかわらず失敗している人が多いのも身だしなみです。その理由は「清潔であること」と「清潔感があること」の2つの違いが理解できていない人が多いからです。

 清潔と清潔感の違いは「手入れが行き届いている様子」にあります。違いを理解できていない人は、顔をきちんと洗って、歯磨きもして、シャワーや入浴も毎日、服だってしっかり洗濯したものを身につけるなど清潔にする習慣がある、だから清潔だ、と胸を張ります。もちろんこれは「清潔な状態」です。

 しかし、ここで胸を張る人に限って、こまめな散髪などができておらず襟足が伸びていたり、髪の毛をセットできておらず、毛先がパサパサ、肌や唇も乾き切っていたり、服がヨレヨレだったりします。それでは「清潔感がある状態」ではありません。

髪や肌に適度な潤いやツヤがあるか

「清潔感がある状態」は人が見て「清潔」を想起できることです。それには、髪や肌に適度な潤いやツヤがあり、手入れがきちんと行き届いていることが他人にはっきりわかることが必要です。

 はっきりわからなければ、せっかく自分を清潔な状態にしていても「身だしなみ」という点では意味がないのです。

 自分を清潔にする習慣に加えて、自分を手入れする習慣もどんどん身につけてください。まずは洗顔後にローションやクリームなどで肌を保湿することを習慣にしましょう。

自分の手入れは男女関係ありません。髪の毛が短いヘアスタイルの人は少なくとも1か月に1回以上のこまめなカットが必要です。

 女性は髪の毛を伸ばしている人も多いと思いますが、髪の毛、とくに毛先のツヤ感が保たれているかに気をつけてください。じつはこういう箇所で印象が決まるのです。

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