ここを変えたら年収が変わった、という話

 ここでひとつ問題です。ある高額金融商品を扱っている男性営業担当者は成績が伸びず、悩んでいました。そこでアドバイスをもらおうと、ある人に自分の営業のデモを見てもらったところ、身体のある部分をすぐ変えなさいと言われました。

 アドバイスどおりに変えてみたら、そこからぐんぐんと営業成績が上がり、ついに年収が大幅アップしたのです。さて、この人がアドバイスで変えた部分とは何でしょう?

 この答え、じつは「爪」です。その人は営業中、見込み客の前で商品のパンフレットで数字などを指しながら「利益は○円が見込めますよ」「○○の資金にもなります」など商品購入によるバラ色の未来を説明していましたが、そのときに目に入る爪は自分で無骨に切り揃えてワキはカサカサで真っ白。

 そのみすぼらしい爪と高額金融商品に大きなギャップがあり、素敵な数字やバラ色の未来が「うそ」にも見えたのです。

 この営業担当者にアドバイスしたのは私です。幸いなことに、その人は素直な人で、すぐにネイルサロンに行って爪の形を整えて甘皮をカットし、適度なツヤに磨いてもらいました。

 そして、爪も含めて、自分が売る商品がお客様にもたらすであろう豊かな未来と自分のイメージにずれがないように配慮するようになりました。

爪ひとつでも言葉とギャップがあると信頼されにくい

 それによって本当に営業成績が変わってきたのです。言葉と話しているその人の印象のギャップが薄れたことで、言っていることがお客様に信頼されやすくなってきたのです。

 人々が他人から受け取るメッセージは「言葉」よりも見た目や態度などの「非言語要素」が大きく影響することがわかっています。また、非言語要素はほとんどの場合において、理論や思考より感覚や感情にダイレクトにすばやく伝わります。

 言葉がどんなに巧みでも、感覚で受け取ったものひとつでまったく違う印象を相手に伝えることもあるのです。清潔感とともに、感覚に伝わる部分を意識すれば、あなたは自然に信頼される印象になります。

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