まず目立つのが自由枠時代の石川と和田の活躍ぶりだ。石川は大学3年時にはプロ・アマ混合チームで臨んだシドニー五輪にも出場。4年春に肘を痛めた影響で4年秋は登板を回避したものの評価の高さは変わらず、最終的にヤクルトに入団した。プロ入り後も1年目から5年連続で二桁勝利をマーク。昨年は史上初となるデビューから23年連続勝利も記録した。
一方の和田は早稲田大で東京六大学史上最多となる476奪三振を記録し、石川以上の争奪戦の末にダイエーに入団。石川と同様に1年目から5年連続で二桁勝利をマークし、一時はメジャーでもプレーした。昨年限りでユニフォームを脱いだが、逸材が多いと言われていた“松坂世代”で最後のNPB現役選手ということでも話題となった。石川、和田ともに大学生左腕では歴代でも屈指の存在と言えるだろう。
ただこの2人以降は少し苦戦した選手が目立つことも確かだ。那須野は192cmの大型左腕ということで期待も大きかったが、1年目から不安定な投球が目立ち低迷。3年目に主にリリーフとして63試合に登板したのは目立つものの、トータルでは寂しい数字という印象は否めない。
長谷部は大学時代に北京五輪予選のメンバーにアマチュアから唯一選出されて話題となり、5球団重複の末に楽天に入団。2年目には100イニングをクリアして5勝をマークしたが、これがキャリアハイとなり通算11勝で現役生活を終えている。
2011年に菅野智之(現・オリオールズ)、野村祐輔(元・広島)とともに大学BIG3と言われた藤岡も3年目までに18勝をマークしたがそれ以降は大きく成績を落として高い期待に応えることができなかった。また“近大の江夏”の異名をとり、2006年ドラフトの超目玉と言われた大隣も通算52勝という成績は大学時代の投球から考えると物足りない印象だ。ただ近年目玉として評判となった早川、隅田、武内は順調なスタートを切り、既にチームの主戦となっている。