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代理人を立てず球団と直に交渉
森井は日本のプロ野球をへず、直接米国の球団と契約し、マイナー契約からメジャーを目指す道を選んだ。これまで日本の高校を卒業してすぐに渡米し、メジャーの舞台に立った選手はいない。森井はそれを意識したのだろうか。
「自分にとって、前例というか、そういうのはあんまり関係なくて、どれだけ変だって思われようと、自分の好きなことをやりたいというか。人生一回ですし、自分が本当に幸せなことをやりたい。自分の好きなことに突っ走って、ちょっと人とは違う方向に行くみたいなところが、桐朋生にはあるような気がします」
米国の球団との交渉では代理人を立てなかった。森井とともに純子さん、田中監督が、交渉やアスレチックスとのマイナー契約に立ちあった。田中監督が説明する。
「代理人はあえて立てませんでした。森井本人とお母さんとも話しましたが、代理人を入れると、見えないところで進んでしまうかもしれない。どういうふうにこの球団の人たちは森井翔太郎を育ててくれるのか、それを直に話したかった。アスレチックスとの契約にいたったのは、本当に二刀流を真剣に見てくれるから。本人がこだわっているうちはずっと二刀流のメニューでやってくれるということでした」
「食事にお金をかけられるのが幸せ」
森井は現在、アスレチックス傘下のマイナーチームの練習に参加している。
「今、すごく充実しています。最初はどういう選手がいるのかとか、差別があるんじゃないかとか不安がありましたけど、差別は全くないですし、中南米の選手とかとすごくコミュニケーションが取れて、楽しくやっています。今ある不安といえば、上に一個一個上がっていかなきゃいけないので、自分がどういうふうに結果を残していくかということ。できるだけ早く結果を残して、メジャーに上がりたい。ワクワクが7割といったところでしょうか。契約金額に関してはそんなにプレッシャーにはなっていません。物欲もなくて、服や高級バッグを買いたいとかあんまりないタイプ。それより食事がすごく大事だと思っているので、そこに必要な分だけお金をかけられるのは幸せです。勝負飯? 特にありませんが、カレーうどんが好きです」
「夢は大リーガー」と小学校の文集に綴った桐朋っ子が、世界に羽ばたこうとしている。桐朋卒メジャーリーガーの誕生が、卒業生の一人として待ちきれない。
(AERA dot.編集部・大崎百紀)
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