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23年6月、高円宮家の長女の承子さまが、母の久子さまとともにヨルダンの皇太子の結婚式に参列された。
その際に承子さまがお召しだったグリーンのドレスは1988年、三笠宮家の次男の故・桂宮さまが新宮家を創立されたことを祝う宴で、祖母である百合子さまがお召しだったものだ。
35年前に「おばあ様」がお召しだったドレスは、承子さまの身長に合わせて裾丈をリフォームされ、羽をイメージさせる共布の髪飾りと緑の豪華なジュエリーでスタイリッシュに着こなされた。「ミミズク」のクラッチバッグもSNSなどで「可愛い!」と注目を集めた。
また、高円宮家の三女の守谷絢子さんも、百合子さまのドレスを大切に受け継いでいる。2019年の天皇陛下の即位に伴う「饗宴の儀」で、絢子さんは百合子さまの鮮やかな緑のローブモンタントで出席していた。
宮妃はティアラ(宝冠)も受け継いでいる。三笠宮さまと百合子さまの長女の近衞甯子さんが着用していたティアラは、久子さまが15年にあったスウェーデンの王子の結婚式でお使いになっている。
そして、絢子さんが18年10月に都内で開いた結婚を祝う晩さん会では、久子さまがお持ちの首飾りを絢子さんがティアラとして着用。母娘の愛情が伝わる場面だった。
香淳皇后の帯は、雅子さまへ
皇太后から皇后、皇太子妃へと受け継がれた和装もある。
1993年に当時、皇太子だった陛下と婚約をした雅子さまは、結納にあたる「納采の儀」で薄黄色の地に瑞雲(ずいうん)と扇の紋様の本振り袖に、七宝(しっぽう)華紋の帯を締めていた。この帯は、昭和天皇の后の香淳皇后から上皇后美智子さまへ、そして雅子さまへと受け継がれたものだ。
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また、2024年の秋の園遊会では、三笠宮家の長女の彬子さまが、正倉院華文の帯に見事な扇形のべっ甲の帯留めを合わせていた。
べっ甲は、タイマイというウミガメの甲羅から取れる天然素材。ワシントン条約で国際取引が禁止されているため、和装小物としても希少な品だ。
昭和の時代から皇室に着物をつくり、納めてきた「染の聚楽」(京都市)の代表・高橋泰三さんは、この帯留めについて、以前の取材でこう話していた。
「このような見事な細工には、いまはなかなか出合えません。宮家の方々から受け継いだお品かもしれませんね」