「現地で生きた英語に触れて、初めて知ったことがたくさんありました」と廣津留さん(撮影/吉松伸太郎)

Q. たとえばカフェで隣のテーブルに座っている人の会話など、廣津留さんが英語の雑談を聞き取れるようになったのはいつでしたか? 雑談まで聞き取れるようになるには、どんなふうに勉強をしたらいいですか?

A. 雑談まで耳に入ってくるようになったのは、大学1年生の頃じゃないかな。アメリカに行ってからですね。まあ、高校まで過ごしていた大分では、カフェで海外の人が隣に座るなんてことが当時はまずなかったのもありますけど(笑)。初めて海外で生活して完全に頭が英語モードになっていたし、基本的にまわりは英語で話しているから、頭のチャンネルが英語に合わせられていたんですよね。

 ただ、雑談の内容まで自然に頭に入ってくるのは結構なレベルだと思います。そこを目標にするのであれば、ネイティブの人と話す訓練が必要です。それをしないと、自分が話せるかどうかもわからないし、自信もつかない。オンライン英会話は一つの手だと思います。

 あとは、やっぱり留学に行けるといいなあとは思いますね。必ずしも全ての人にとって留学がベストというわけではないですが、留学という選択肢を知っているだけでも違うと思います。できれば若いうちに数カ月でも英語圏に行っておくと、英語の土台が変わってくるはずです。今は文科省や自治体でも高校生の留学を支援するプログラムがありますし、見てみるといいかもしれません。現地で耳にする英語にはネイティブの人しか使わないような表現もあるし、世代やTPOによって話す言葉も変わるんですよね。たとえば、クラシックの演奏会のレセプションで話す英語と大学の寮で話す英語は使う単語からして全然違うんです。そういうのって、私も生きた英語に触れてみてやっとわかった部分。英語の教材だけでそういうところまで学ぶのはなかなか難しいところがあるかなと思います。

構成/岩本恵美 衣装協力/BEAMS

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