勝負するしかない
テレビ番組のナレーターとしても活躍するAKITAさん。取材中も、やはり抜群にいい声。自分の声が嫌いな人からすれば、うらやましい存在だろう。
「いえ、実は私も自分の声が嫌いでした。もう10年ほどナレーションを担当させていただいている番組がありますが、この嫌いと思っていた声で読み続けてきた。でも、いまは好きです」
なぜ、好きになれたのか。やはりこれが自分の声なのだから、この声で勝負するしかないという「受け入れ」があったからだと、AKITAさんは話す。
「生徒さんの中にも、自分の声が好きじゃないという方は多いです。でも声優やナレーターとして『商品化できる声』をめざす人にとっても、一般の方にとっても、『いい声』とは、自分の感情が、自分本来の声に、自由自在に乗っていく。そんな声だと、私は思います。自分本来の声を受け入れることの大切さ。そこは生徒さんたちにも伝えるようにしています」
(編集部・小長光哲郎)
※AERA 2025年2月10日号より抜粋