いい「リズム感」を磨く
わたしたちは、よく体の〝調子がいい〞あるいは、〝悪い〞と言います。自分の体調、健康の状態を〝調子〞、まさに〝リズム〞として感じています。自分固有の体のリズムは、心身の状態に素直に目を向け常に気を配ることで、初めて知ることができます。自分のリズムを知る、感じ取ることができる能力を、わたしは「リズム感」と呼びます。
いいリズム感を持つ、つまり、ルーティンを守ることによって生まれた自分のリズムを十分認識することができれば、将来どうなるかということをある程度想像できます。これまでの軌跡がこうであったなら、将来はきっとこうなるだろうとあらかじめ予想できるのです。
ある程度の「想定」を持つことで、いつもと違うこと、「想定外」のことが起こった時、わたしたちはその変化を敏感に捉えることができます。いつもと違うリズム、音色(ねいろ)に気付くことができるのです。
私は、老化は「負債病」だと考えています。人生という営みの中で起こる「ひずみ」によって生じ、放置しておくとどんどん蓄積して、生活を続けるうえで大きな支障になる。しかし、気を付けて努力すれば返済することもできる。
「想定外」のことが起きた時こそ、まさに負債が起ころうとする時です。そのリズムの変調、自分に起ころうとしている異変を、敏感に、自分事として感じ取ることができれば、「老化負債」の返済に早くから動きだせます。

