水原一平被告
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 ドジャース大谷翔平の口座から巨額の不正送金をして銀行詐欺罪などに問われている元専属通訳の水原一平被告の裁判が動きだした。連邦検察は1月23日、水原被告に対し、4年9カ月の禁固と大谷への約1700万ドル(約26億3000万円)の賠償を求刑。水原被告は連邦地裁に申立書を提出したが、その内容が物議を呼んでいる。

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 水原被告は申立書で、大谷の通訳として「過酷な労働環境」と、それに見合っていない「低賃金」を訴えた。

 報道によると、過酷な労働環境について水原被告は、大谷の通訳だけでなく「ほとんどをサポートする必要があった」とし、送り迎えや食料品の買い出し、郵便物の確認、犬を獣医やトリミングに連れて行くことなど、「毎日24時間待機」する状況だったと記した。とくにシーズンオフは多忙で、大谷が毎日のように練習するため、施設の予約や練習の記録、練習パートナーの役割まで対応しつつ、日々の雑事をこなし、「肉体的にも精神的にも追い詰められた」と主張した。

 これに対する報酬について水原被告は、大谷がエンゼルスに在籍していたときはエンゼルスから年俸を受け取っていたが、2018年は8万5000ドル(約1300万円)、19年から21年までは8万7000ドル(約1350万円)、2022年は9万9611.16ドル(約1500万円)、2023年は25万ドル(約3800万円)で、ほかに大谷からシーズン中は月額2万円、オフシーズンは月額約40万円が支払われていたと記した。それでも、大谷の家の近くの高級住宅地に家を借りるため高い家賃を払わなければいけなかったことや、日本と米国を往復する航空運賃の負担などがあり、「仕事の対価としては低賃金だ」と感じていて、お金に困ってギャンブルに手を出したと主張している。

 この主張について、かつて日本人メジャーリーガーの通訳を務め、水原被告と交流があった球界関係者は「彼は勘違いしていますよ」と語気を強める。

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通訳経験者は「嫌なら辞めればよかっただけ」