ロッテからポスティングシステムを利用して海を渡った佐々木朗希(23)が、複数球団の争奪戦の末、ドジャースに入団したが、佐々木だけではない。ドジャースの大型補強が米国でも話題を呼んでいる。
【写真】次世代の「和製大砲」としてブレークが期待されるのはこの選手
昨年ワールドシリーズを制して世界一になったドジャースだが、連覇を目指すこのオフの補強は容赦ない。ジャイアンツからFAとなったブレイク・スネル、マイケル・コンフォートの2選手を補強。スネルはサイ・ヤング賞を2度獲得した本格派左腕で先発の軸として計算できる。コンフォートは広角に長打を打てる左の強打者だ。韓国プロ野球からはポスティングシステムを利用してメジャー挑戦したキム・ヘソンを獲得。走攻守3拍子そろった内野手で25歳と若い。将来が嘱望される逸材だ。
救援陣の補強にも抜かりはない。パドレスからFAとなった左腕のタナー・スコットと契約合意。スコットといえば、日本のファンは「大谷翔平キラー」の印象が強いだろう。昨年はレギュラーシーズンで大谷を通算9打数1安打に封じ、地区シリーズでも4打席4三振と完璧に抑え込んだ。また、レンジャーズからFAとなったカービー・イェイツも獲得。イェイツはパドレス在籍時の19年に41セーブをマークしてセーブ王のタイトルを獲り、昨年は61試合に登板し、7勝2敗、33セーブ、防御率1.17と抜群の安定感を誇った。
絵空事に思えない「ナインモア」
エンゼルスからドジャースに移籍して1年目に世界一の悲願を達成した大谷が、ワールドシリーズを制した後のシャンパンファイトで、「ナインモア、ナインモア(さらに9回)」と叫んだことが報じられた。自身のドジャースとの残り契約期間の9年間、ずっとチャンピオンになって10連覇するぞという宣言だ。メジャーのワールドシリーズ連覇はヤンキースの5連覇が最多だが、今のドジャースは10連覇も絵空事と思えないような盤石の態勢に見える。
ただ、米国で取材するライターはこう話す。
「ナ・リーグ西地区のライバル球団・パドレスが思うような戦力補強を敢行できていないので、投打ともに他球団を圧倒する陣容のドジャースは高い確率でプレーオフに進出できると思います。ただ、昨年は先発陣の山本由伸、タイラー・グラスノー、ギャビン・ストーンが故障で相次いで離脱し、先発のコマ不足が危機的な時期がありました。故障は予測できないし、大谷翔平やフリーマンら替えの利かない存在の選手が長期離脱したら戦力が一気に落ちる。楽観視はできません」