石川さんによれば、フジテレビの幹部は「クライシスコミュニケーション」に初動から失敗しており、その分析を行わずに会見に臨んだことが、傷口を広げているという。
クライシスコミュニケーションとは、企業が不祥事や事故を起こしてしまったときの危機管理対応のことだ。
初動の原則は「被害者に向き合う」ことだという。
「会見では、『女性への配慮』『女性のケア』を優先した、と繰り返し語られました。けれども、調査を行わなければ、何が起こったのかすらわからない。そんな状態を向き合っているとは言えません」
中居正広氏がトラブルを起こした相手女性は、フジテレビの仕事に従事していた。経営者には対応する法的な義務がある。
「当事者間の認識の違いについて、『コメントできない』という発言がありましたが、これを調査できるのは警察だけです。刑事事件になる可能性があるわけですから、『医師に判断を仰いで対応するのではなく、最初から警察に相談すべきでした。反省しています』と、回答すべきだったと考えます」
トラブルに対応した幹部や社員に危機管理のプロが含まれておらず、法的な側面を考慮して対処されなかったのではないか、と石川さんは推察する。
「女性のケアを最優先する」という理由で、中居氏を登用し続けてきたフジテレビの姿勢には違和感があり、なぜ、そのような判断に至ったのか、質問が繰り返されたが、明快な回答はなかった。
「フジテレビは女性に対して、『人権に対する意識の不足から、十分なケアができなかった』とも言うけれど、結局は女性よりも企業の利益を優先したように映る。だから、うそをついているように見えてしまう」
記者も見られている
2つ目は再発防止策を積極的に打ち出さなかったことだ。
「再発防止策はクライシスコミュニケーションの重要な柱です。3月末に第三者委員会の報告書を待つことなく、原則『会食を禁止する』とか、打てる手はすぐに打つべきでした」
一方、前述のとおり、質問者側について、SNSでは次のような批判も相次いだ。
<怒号をまわりに聞かせるのもハラスメントって習わないの?>
<感情丸出しカッコ悪いし見ると不快>
<フジテレビが厳しい目で見られているのと同時に、質問する側も同じように見られていることを意識してほしい>