また、25歳より若い年齢の投手でメジャーに熱い視線を浴びているのが高橋宏斗(中日)と、山下舜平大(オリックス)の2人だという。ともに2002年生まれの22歳で、実績こそ足りない部分はあるが、すでにNPBでは“一流の投球”を見せている。「このまま順調に育って」25歳でポスティングとなれば山本の契約を超える可能性もありそうだ。
「やはりメジャー年俸の“インフレ”が激しいことを考えても2人が山本を超えることは十分考えられる。2013年に日本で24勝0敗と無双した田中将大が7年総額1億5500万ドル(約161億円)でヤンキースと契約を結んだが、その10年後にポスティングのルールは違ったとはいえ、同じような境遇の山本がそれをはるかに超えた。年俸高騰はとどまることを知らない。高橋、山下も素材だけを見れば、田中や山本に負けていない。渡米のタイミングのパフォーマンス次第ではとてつもない契約になりそう」(メジャーリーグに詳しいスポーツメディア関係者)
しかし、この2人についてはまだ未来のこと。今後のことを考えると今季からメジャーでプレーする佐々木が大きな影響を与えそうだという声もある。
「高橋と山下に関しては素晴らしい素材なのは間違いなく、既に複数球団がチェックしている。しかし日本の若手投手が早々と渡米して十二分に成長できるかは未知数な部分。そういった意味でも佐々木の今後に注目したい」(MLBアジア地区担当スカウト)
「佐々木が順調に成長、早々とドジャース投手陣に食い込めるようなら状況も変わる。仮に25歳ルールでマイナー契約となっても、数年経てば莫大な契約ができることを示せる。NPBでのプレーに意義を感じなければ、佐々木同様に早期の渡米を望む選手が出てくるだろう」(NPB関係者)
佐々木は今季からドジャースに移籍したが、マイナー契約のため契約金は650万ドル(約10億1000万円)。ロッテに支払われる譲渡金も現時点(メジャー昇格などで変動)で162万5000ドル(約2億5000万円)とメジャーの水準では格安だ。日本の球団にとってみれば「あと数年待てば……」という考えが出てもおかしくはないが、佐々木が早い段階で活躍すれば日本人の若手投手たちが“触発”されるというケースも考えられる。