セカンド、ショートともに100試合以上スタメンで出場して、さらに100安打以上をクリアしているのは広島と楽天だけ。しかし広島はともに高い守備力を誇るものの菊池に以前ほどの力がなくなっており、楽天のコンビについても小深田の打撃と村林の守備に課題が多いように見える。ここ数年のトータルで言えば西武の2人を挙げる声も多そうだが、外崎が成績を落として今シーズンからサードか外野にコンバートされる予定と言われている。大半のファンが“最強”と認めるような二遊間コンビは現在のプロ野球界には不在と言えそうだ。

 では今後、最強に相応しいコンビが誕生する可能性のある球団はどこになるのだろうか。まず実績面を考えて最強に近い位置と言えるのがヤクルトだ。何よりも大きいのが長岡の成長である。2023年には“2年目のジンクス”に少し苦しんだものの、レギュラー定着3年目の昨年は全143試合にスタメン出場して最多安打のタイトルを獲得。打率.288もリーグ6位の成績である。

 守備面ではセイバーメトリクスの指標は低いものの、補殺数は2年連続でリーグトップを記録しており、失策数も2年連続で一桁と安定感があるところを見せている。ここ数年成績を落としている山田哲人がかつてのような輝きを取り戻すことができれば、高いレベルで好守にバランスのとれた二遊間コンビとなるだろう。

 続いて期待できそうなのが巨人だ。昨年はセカンドの吉川が全143試合に出場してキャリアハイとなる154安打をマーク。守備面でもリーグ最多の485補殺を記録するなど見事な成績を残し、いずれも初となるベストナインとゴールデングラブ賞に輝いた。攻守のバランスという意味では現役最高のセカンドと言えるレベルである。ショートの門脇も春先には調子が上がらずにスタメンから外れる試合も多かったが、夏場以降は成績を上げて地力があるところを見せた。吉川の怪我の多さは気になるものの、年齢的なことを考えてもここから最強コンビになっていく可能性は十分にありそうだ。

次のページ
コンバートまで視野に入れると…