コンバートまで視野に入れて楽しみなのが広島だ。セカンドは菊池が今年で35歳となるだけに次のレギュラーが必要だが、有力なのが昨年サードを守ることが多かった小園海斗のコンバートだ。小園は昨年4番を任せられることも多く、リーグ11位となる打率.280をマークするなど打撃については十分なレベルにある。また昨年行われたプレミア12ではセカンドを任されて攻守に見事なプレーを見せてベストナインにも輝いた。ショートの矢野雅哉がレギュラーとして活躍したのは昨年だけだが、守備については12球団もトップという声も多く、セイバーメトリクスの指標も圧倒的なものがある。“タナ・キク”に続く最強コンビが誕生することも期待できそうだ。

 その他では5球団が競合したショートの宗山塁が加入した楽天も組み合わせ次第では、今後が楽しみなチームである。またレギュラーがともに若い中日も今年以降に大きく成績を伸ばす可能性を秘めていると言えるだろう。今回は昨年の成績をベースにして考えたが、またここで名前を挙げた以外からも、最強二遊間コンビを構成する新たな顔ぶれが飛び出してくることを期待したい。(文・西尾典文)

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

▼▼▼AERA最新号はこちら▼▼▼