スッキリして家族がそれぞれの席にスムーズに座れるようになりました/アフター

 リトミックはレンタルスペースを借りて、2台のキーボードや、タンバリン、鈴、木琴、鉄琴などの楽器のほか、リズムを取るための道具なども生徒や保護者の分を持って行きます。それだけの荷物を自宅で保管するのも大変なこと。

「なんとかして片づけないと」と思っているとき、SNSで“家庭力アッププロジェクト®”を知りました。

「単なる片づけじゃなくて、心理学に基づいたメソッドというところに関心を持ちました。学んだことを自分の教室にも生かせるかもしれないな、と。片づけだけならちょっと頑張れば自分でできると思っていましたが、参加することにしました」

 彼女の仕事は午後がメインなので、午前中は片づけに集中しました。片づけ始めると、増えてしまった仕事の道具を収納スペースに入れたために、家族のモノが家中にあふれてしまっていることに気づきます。

「使わないのに、もったいないと思って残していたモノが多かったですね。リビングにずっとあった電子ピアノもそうでした」

 仕事上、キーボードがあれば電子ピアノは必要ありません。でも機能が充実している機種で手放す決心がつかず、ずっとリビングに置いてあるだけでした。

「電子ピアノがあることと、この分のスペースが空くことの、どちらが豊かなことだろうと考えたんです。結果、手放した方が豊かだなという結論に達しました。生徒さんにお譲りすると、空間が広がってすごく動きやすくなりました!」

 不要なモノが減って家の中がどんどんスッキリすると、家族も驚いた様子。夫は「家に帰ってくると、仕事のストレスが癒やされる」と喜んでくれました。

 さらに大きな変化は、ダイニングにある子どもの荷物や洋服です。子どもと話し合うと、「今は制作に忙しい時期だから、それが終わったら片づける」と約束してくれました。

「それまで放っておくわけにもいかないので、思い切ってダイニングテーブルの近くに衣類ケースを置いてそこに収納することにしました。以前なら、『ダイニングに洋服を置く場所をつくるなんて、無理に決まっているでしょ!』と言っていたと思います」

 思い込みにとらわれず、家族の意見を受け入れて柔軟に対応した結果、ダイニングもスッキリときれいになりました。

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定位置を決めるときに重視したこと