【3位】阪神
連覇を逃した阪神。昨季の2位という結果は決して悪くはなかったが、球団は岡田彰布監督から藤川球児新監督へと舵を切り、新たなスタートを宣言した。この監督交代が、新シーズンでどう影響するか。戦力的には才木浩人、村上頌樹、大竹耕太郎に、ビーズリー、伊藤将司、西勇輝、高橋遥人と揃う先発投手陣は実に豊富な人材が揃い、退団した青柳晃洋の穴は感じない。リリーフ陣も充実しており、不安はない。野手陣も、森下翔太、佐藤輝明の主力打者に上積みが期待でき、主砲の大山悠輔に扇の要の坂本誠志郎、代打の切り札の原口文仁、糸原健斗のFA組の4人が全員残留したことで戦力的なマイナスはなくなった。だが、意地悪な見方をすれば「ここが危ういポイント」と言える。チームを「変化」させようとする新監督と、現状を「維持」しようとする選手が、どの段階で一体となれるか。プロ野球の勝負の世界は紙一重。例え、戦力が充実してようともチームが一つの方向に向かなければ優勝は難しい。
【4位】中日
新たに井上一樹監督のもとでスタートを切る中日。3年連続最下位に終わった立浪体制をどう見るかだが、不満の多い中でも決して収穫がなかった訳ではない。投手陣では高橋宏斗が期待通りにリーグを代表する投手となり、打線では細川成也が奮闘する傍ら、村松開人、福永裕基、田中幹也の内野陣が大きな経験を積んだ。何より、観客動員数は右肩上がりで、昨季は16年ぶりの230万人動員を達成したのだ。そのファンの“熱”と井上監督の“明るさ”でチームが勢いに乗れば、十分にAクラス争いに加われるのではないか。先発ローテの小笠原慎之介と守護神マルティネスの退団は痛いが、それを井上監督が脱臼しながら当たりくじを引き当てたドラフト1位左腕・金丸夢斗らが一丸となって埋め、野手陣では岡林勇希、石川昂弥が自身の能力を出し切り、さらに新外国人が働けば……。皮算用ではあるが、十分に台風の目になれる可能性を持っている。