それ以降の選手ではクルーン(横浜→巨人)、増井浩俊(日本ハムオリックス)の2人は移籍先でも抑えとして結果を残している。そして移籍をきっかけに大きく飛躍した例としてはサファテ(広島→西武ソフトバンク)が挙げられる。広島で2年、西武で1年プレーした後、2014年からソフトバンクに移籍。年々ボールの凄みが増し、2015年からは3年連続で最多セーブのタイトルを獲得した。2017年に記録した54セーブはNPB歴代最多である。ソフトバンクが他球団から獲得した外国人選手としてはデスパイネと並ぶ大成功例と言えるだろう。

 こうして見ると移籍した先でも成績を残している選手が多いことがよく分かる。マルティネスも今年で28歳とまだまだ若いだけに、来シーズン以降も圧倒的な投球を見せる可能性は高そうだ。(文・西尾典文)

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。
 

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