1983年の大晦日「NHK紅白歌合戦」に初出場した中森明菜は「禁区」をNHKホールで歌った(ファン私物 撮影/中村隆太郎)

「紅白」に期待しかない

 この動きに、「中森明菜の音楽 1982-1991」(辰巳出版)の著書もある人気音楽評論家のスージー鈴木さんは「かなり活動が活発になってきたので、心身ともにいい状態なのかなと期待させますね」と話し、「紅白」復帰を期待するという。

「今年の夏にファンクラブのイベントを行ったり、かなり本人も音楽活動をやる意欲も満ち満ちている感じもします。来年の野外音楽フェスも含めて、本格的に音楽活動をするのであれば、紅白で復帰というのは素晴らしいシナリオなのでは」
 

 シナリオとしては「前回出場から10年でキリもいい」とスージー鈴木氏は言う。

 2010年10月から活動を休止していた中森明菜は、14年の紅白にゲスト出演。ニューヨークのレコーディングスタジオから生中継し、翌年15年1月にリリースされた約5年半ぶりの新曲「Rojo -Tierra-」を披露。4年5カ月ぶりの復活を遂げた。
 

中森明菜がどう出てくるか

「中森明菜、10年ぶり紅白出場」。いつ発表があってもおかしくないほど、舞台は整った感はあるが、スージー鈴木さんは「焦点は、どう紅白に出てくるか」だという。

 紅白といえば会場のNHKホールからの「生放送」「生演奏」「生歌」という前提に、スージー鈴木氏は中森明菜には「tiny desk(タイニー・デスク)」企画での出演を推す。

「tiny desk」とは、アメリカの公共放送NPRが始めた人気企画で、オフィス内の“小さな机”で行われるライブパフォーマンスだ。

次のページ