チームの大黒柱はエースの阪下漣(2年)だ。近畿大会、明治神宮大会の7試合全てに登板し、46回2/3を投げて自責点3、防御率0.58をマーク。高い制球力は高校生離れしたものがあり、終盤まで球威の落ちないスタミナも魅力だ。横浜ほど豊富な投手陣を抱えているわけではないが、左腕の末永晄大(2年)も明治神宮大会では二松学舎大付(東京)を相手に6回を無失点と好投。さらに上位から下位までパンチ力のある打者が揃う打線も強力だ。出場が決定的となっているセンバツ高校野球でも優勝候補となることは間違いない。

 今年春のセンバツで優勝を果たした健大高崎は野手のレギュラーの大半が入れ替わったが、それでも関東大会では決勝で横浜と延長タイブレークの接戦を演じるなどさすがの力を見せた。エースの石垣元気(2年)は150キロを超える本格派で、さらに左腕の下重賢慎(2年)も試合を作る能力が高い。野手では捕手の小堀弘晴(2年)が攻守に高い能力を誇り、足を使える選手が多いのも強みだ。今年春のセンバツで背番号1を背負っていた佐藤龍月(2年)も夏には復帰する可能性が高いと見られており、そうなればセンバツだけでなく、今年逃した夏の頂点も十分に射程圏内に入ってくるだろう。

 明治神宮大会に出場したチームでは矢吹太寛(2年)、高橋英汰(2年)と左右の好投手を揃える東海大札幌(北海道)、エースの池崎安侍朗(2年)が抜群の安定感を誇り、伝統の堅守が光る明徳義塾(高知)などもセンバツで上位を狙える戦力がありそうだ。

 明治神宮大会出場を逃したチームでは青森山田(青森)、智弁和歌山(和歌山)の2校も面白い。青森山田は旧チームからのメンバーが多く残り、特に内野陣はセカンドの蝦名翔人(2年)、サードの菊池伊眞(2年)、ショートの伊藤英司(2年)など力のある選手が揃う。投手陣が力をつけてくれば、今年以上の成績も狙えるだろう。智弁和歌山は渡辺颯人(2年)、宮口龍斗(2年)の本格派右腕2人を揃える。ともにストレートは140キロを超え、継投のパターンが確立されていることが大きい。また捕手の山田凜虎(1年)など1年生に好素材が多いのも楽しみだ。

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夏の巻き返しに期待したい学校は?