【移民対策】白人保守層へのわかりやすいメッセージ
トランプ氏が「メキシコとの国境沿いに壁を建設する」という公約を掲げたのは、2016年アメリカ大統領選挙のときだ。「トランプの壁」は不法移民対策の目玉政策として打ち上げられ、大統領就任の直後から建設が開始された。
不法移民に強硬姿勢をとるトランプ前大統領が国民の支持を得た背景には、毎日のように国境のフェンスを乗り越え、仕事を求めて不法入国するメキシコ人や中南米出身者の増加があった。「壁」は、彼の支持者である白人保守層に対するわかりやすいメッセージとなった。
2021年に、以前から壁建設を批判していたバイデン大統領が就任すると、壁の建設は中止された。しかし2023年になってバイデン大統領は方針を転換し、壁の建設を認めた。近年不法入国者が急増し、2022年10月からおよそ1年間、24万人以上の移民希望者が不法入国を試みたという。バイデン政権の「移民に寛容」方針に、移民希望者が殺到したためとみられる。
トランプ前大統領はSNSで、「バイデンは私が正しかったと証明した」と投稿。今回の大統領選でも「移民対策」は大きな争点となり、選挙公約に不法移民に対する「史上最大の強制送還」を掲げたトランプ氏が勝利した。第1次政権で最側近だったスティーブン・ミラー氏らを第2次政権でも要職に据える見通しで、公約実現のための人事が整いつつある。
【肥満大国】貧困や人種差別とも絡みあう社会問題
アメリカの国民病ともいえる「肥満」。米国疾病予防管理センター(CDC)によると、BMI(ボディマス指数)が30以上を「肥満」としたとき、アメリカ人の41.9%が「肥満」であり、9.2%が「深刻な肥満」であるという。
特に問題となっているのが子どもの肥満だ。子どもの5人に1人が肥満とされ、アメリカは先進国では唯一、子どもの肥満率が20%を超え、社会問題となっている。