そんな状況下、藤川監督の手腕により多くの人材を“発掘”したいところ。それが実現できれば、史上最強クラスの「投手王国」形成も夢ではないという声もある。
「現役時代は火の玉ストレートが代名詞で気の強さも見られたが、周囲への気配りができる兄貴肌の優しい男。就任直後から各選手との対話を重ね、各々の考え方を尊重している。選手個々に適した指導方法を思索中なのだろう」(阪神関係者)
「改善ができるな、と思いましたね」と藤川監督の口からすでに名前が出たのは、西純矢と椎葉剛の本格派右腕2人。また、左腕の及川雅貴も秋季キャンプで直接指導するなど、“強化”の対象として期待されている投手も少なくない。
「(藤川監督は)理に適った体の使い方を重視している。3投手の身体能力は高いだけに、投球に効率的に生かすことができれば凄い投手になる。一気に覚醒して球界を代表する投手になる可能性は十分に秘めている」(在京球団編成担当)
3投手ともに高いポテンシャルを秘めてはいるが、まだ実力は十分に発揮できてはいない。特に昨季5勝を挙げながら、今季は未勝利に終わった西、即戦力ルーキーとして期待されながら一軍の登板なしに終わった椎葉を“ブレイク”させて欲しいという声は多い。
彼ら以外にも、トミー・ジョン手術からの復帰を目指す昨年のドラフト1位・下村海翔、育成契約となった2021年のドラフト1位・森木大智の両右腕、そして2022年に2位で入団した左腕・門別啓人にも熱い視線を注ぐ。
「監督自身がトミー・ジョン手術を経験、術後のパフォーマンス向上の仕方も知っている。下村には大学時代以上の投手になれる可能性を感じているはず。森木は高知高の直属の後輩だけに気にならないわけはない。門別も伸び代は抜群であり、3投手は阪神の未来を見据えて育てていくはず」(阪神関係者)
先述のようにすでに投手力はリーグ屈指といってもいい。そこに23歳の西、及川、22歳の下村、椎葉、21歳の森木 20歳の門別らが戦力として加わってくれば、相手チームからすると相当な脅威となるだろう。