阪神・藤川球児新監督は就任1年目の来季から“勝つこと”が期待されるが、そのためには投手陣の整備は欠かせない。能力の高い好素材は揃っているだけに、投手出身の理論派監督の手腕に注目が集まっている。
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10月14日、阪神が第36代監督として球団OBの藤川球児氏が就任することを発表した。投手出身の指揮官は星野仙一氏(2002年~2003年)以来となるが、新指揮官は「投手を中心とした守備力強化」を図ることが予想される。
「藤川監督は日米のプロ野球や独立リーグなど多くのカテゴリーでプレーしてきた。失点を減らすことが勝利に直結することを意識しているのは今季まで務めた解説からも伝わっていた。(投手力を中心とした)勝てるチームを作り上げてくれるはず」(阪神関係者)
失点を減らすためには投手陣の強化がやはり基本となるが、今秋のドラフトでもその方針は明らかだった。最初の指名ではナンバーワン左腕の金丸夢斗(関西大)を競合の末に外したが、代わりに即戦力左腕の伊原陵人(NTT西日本)を1位として指名した。
「即戦力左腕が補強ポイントという姿勢がブレなかった。監督就任直後のドラフトだったとはいえ、藤川監督の方向性が見えた。投手陣の改善点を把握できており、1つずつピースを埋めていくつもりだろう」(在京球団編成担当)
日本一となった昨年は12球団トップのチーム防御率2.66を記録するなど、阪神投手陣の安定感は抜群だった。先発では史上初となる新人王とMVPを同時受賞した右腕・村上頌樹、現役ドラフトでソフトバンクから加入した左腕・大竹耕太郎が活躍。ほかにも伊藤将司や才木浩人らも素晴らしい投球を見せた。リリーフ陣もリーグ最多の35セーブをマークした岩崎優を中心に救援防御率2.39はリーグトップの数字だった。
しかし今季は才木を除いては先発がこぞって成績を落とした。ブルペン陣は巨人と並びリーグトップタイの防御率2.27と安定はしていたが、桐敷拓馬がリーグ最多の70試合に登板するなど、一部の投手に負担が集中。打線の援護が少ない中でしょうがない部分もあったが、負担を分散するためにも来季へ向けて一人でも多く計算できる投手を増やすのが課題なのは明白だ。