楽天・茂木栄五郎
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 チームの主力選手たちのFA権行使が注目されているが、FA権を行使できるのは主力選手だけではない。自球団での出場が少なくなった伏兵たちが、出場機会を求めてFA権を行使するケースもある。

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 楽天・茂木栄五郎もその一人だろう。プロ1年目の16年に球団史上初の新人で開幕スタメンデビューを飾ると、翌17年は打率.296、17本塁打をマーク。フルスイングで外野の間を鋭く破るライナー性の打球が魅力だが、コンタクト能力も高い。攻守で主力選手としてチームを支えてきたが、近年は出場機会が減っていた。今年は46試合出場で打率.265、1本塁打、8打点と不完全燃焼だった。

 楽天はドラフト1位で競合した宗山塁(明大)の指名権を勝ち取ったため、来季は内野の枠を巡る競争はさらに厳しくなる。茂木はまだ30歳で選手としてここから脂が乗りきる時期だ。環境を変えて心機一転巻き返したいという思いでFA権を行使したのだろう。

 茂木の獲得調査に乗り出しているとメディアで報じられたのが、ヤクルトだ。今年は3年連続Bクラスに沈み、投手陣の立て直しが急務だが、内野陣の強化も必要だ。三塁の村上宗隆は来オフにポスティングシステムでメジャー挑戦する可能性が高く、二塁の山田哲人は足腰に不安を抱えて近年は常時スタメンに出場できていない。内野を全ポジション守り、強打が魅力の茂木は球団が必要とする補強ポイントに当てはまる。

「茂木は東京出身ですし、早大の時は六大学リーグでプレーしていたので神宮に愛着があるでしょう。推定年俸6000万円で人的補償が伴うBランクですが、ヤクルトにとっては高いハードルではないはず。獲得に乗り出した場合は、移籍でほぼ間違いないと思います」(ヤクルトを取材するスポーツ紙記者)

 ちなみに、FA選手のランクは、球団内の年俸の順位(外国人選手は除く)で決まり、上位3人まではAランク、4位から10位まではBランク、11位以下はCランクとなる。FAで選手を取得した球団は、Aランク、Bランクの選手の場合は元の所属球団に、それぞれ規定の金銭や人的な補償をする必要がある。Cランク選手の獲得では補償は必要ない。

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編成担当が「Cランクなら評価が2割増し」という意味は