阪神ではもともと捕手登録だったが、22年から内野手に変更。一塁の控えや代打の切り札という役回りで重宝されているが、やはりスタメンで出続けたい思いがあるだろう。スポーツ紙デスクは「FAで去就が注目されている大山悠輔が一塁のレギュラーを張っているため、大山が来季も阪神に残留となれば原口の出場機会が限定される状況は変わらない。それなら指名打者制度のパ・リーグ球団に移籍したほうがスタメン出場のチャンスが増える。原口は野球に取り組む姿勢を含めてチームの良きお手本です。数字以上に大きなプラスアルファをもたらす。推定年俸3100万円のCランクなので獲得に興味を示す球団が多いのではないか。複数球団の争奪戦になっても不思議ではない」と分析する。
原口の獲得に動く有力候補とみられるのが、西武だ。今季は球団史上ワーストの91敗を喫し、最下位に低迷。一塁のレギュラーを固定できず、リーグワーストの350得点と深刻な貧打を解消できなかった。中村剛也、栗山巧の両ベテランが指名打者に入る機会が多いが、打撃が魅力の選手は1人でも多く欲しい。原口は埼玉県出身であることから、獲得に乗り出せば「地の利」がアドバンテージに働く可能性がある。また、オリックスや楽天も指名打者を担う選手が満足する結果を残せなかっただけに、獲得を検討することが考えられる。
原口は92年3月の早生まれで32歳。チームメートの梅野隆太郎や、ソフトバンクの山川穂高、DeNAの筒香嘉智らと同学年。まだまだ老け込む年ではない。阪神も宣言残留を認めているなか、どのような決断を下すだろうか。
(今川秀悟)