巨人優勝の原動力となった小林誠司(右)と菅野智之(左)の“スガコバ”バッテリー
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 今シーズン4年ぶりにリーグ制覇を果たした巨人。若手の成長や、途中加入の助っ人ヘルナンデスの活躍など優勝の要因はいくつかあるが、なんといっても大きな原動力となったのが投手・菅野智之と捕手・小林誠司の“スガコバ”バッテリーだった。

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 ともに1989年生まれの同級生であり、今季は“厳しい状況”で迎えたが、菅野はリーグトップの15勝(3敗)、同2位の防御率1.67をマークするなどエースとして存在感を発揮。小林も出場は42試合に限られたが、菅野の“専属捕手”として右腕の復活劇をアシストした。

 菅野は今シーズン好調をキープできた要因として「誠司の存在がすごく大きい」と語る。“スガコバ”の相性は抜群で、菅野が登板した24試合全てで小林はマスクを被り、今季から就任した阿部慎之助監督も2人のコンビを「安心感がある」と評するなど信頼も厚い。

 今オフに菅野はメジャーリーグ挑戦を表明しており、“スガコバ”バッテリーは今季で見納めになる可能性もあるため、注目されるのが小林の今後。“菅野なき”巨人でどういった役割を果たすのかは気になるところだ。

「(小林は)強肩とインサイドワークの良さはリーグ屈指だが打力には難がある。打てる捕手が主流の中で出場機会が激減していたが、今季は菅野との相性もあり専属的に起用された。結果が出たことで、起用法次第で戦力となることを証明できたと思う」(巨人OB)

 小林は社会人ナンバーワン捕手として2013年のドラフト1位で巨人に入団。プロ入り3年目の2016年から定位置を確保すると、2017年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では侍ジャパンの正捕手を務め、打っても7試合で打率.450をマークしてチームの準決勝進出に貢献。その年のシーズンでは自身初のゴールデングラブ賞を獲得するなど、球界を代表する捕手に成長した。

 だが、そのシーズン以降は徐々に出場数が減少。昨シーズンはプロ入り後2番目に少ない21試合の出場にとどまった。今季は状況によってはさらなる苦境が待っているとも予想されていたが……。

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今シーズン示した小林の“存在意義”