占い師、作家 しいたけ.
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 AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

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Q:しいたけ.さん、こんにちは!初めて相談を送らせていただきます。最近季節の変わり目にグッタリしやすくなり、これが年をとることなのかな?と思っています。あと数週間で30代の仲間入りをすることになるので、人生の先輩たちから「これをやっておけばよかった」とか、これだけは意識しておくといいかも!ということがあれば教えてください。(女性/会社員/29歳/しし座)

A:「この人すごくいい大人だな」と思う人に共通している口癖があります。それは「私は運がいいから」です。

 割とひどい目に遭っていても、「結局運が良かったのよね」と言ったりする人もいて、でもそういうふうに「自分は運がいい」と信じている人たちって、本当に運が良くなっていくんです。これは永遠の謎ですが、どん底にいようが天国にいようが「私は運がいい」と言っているだけで人生ってなんとかなっていく。信じるものは救われるという言葉があるように、「運がいい」という自己申告には不思議な力があります。

 普段から「運がいい」と自己申告をしている人たちは、大事なタイミングでも運がいいほうの選択ができます。

 AかBのどちらかを選ばなきゃいけない時に、どちらが得か、損失が少ないかよりも、運がいい人は「面白いほうを選ぼう」みたいな独特の物差しで測ります。「はじめは損もするし、全然儲けにならないかもしれないけど、こっちを選んだほうが運が良くなる気がする」という、その人にしかできない選択をして、結果的にも回収できたりする。

 だからぜひ「運がいい」の自己申告はやっていってください。そのうちに、運がいい場所や運が悪い場所、空間がなんとなくわかってきます。ここはあんまり首を突っ込まないほうがいいなとか、距離を取って付き合っていったほうがいいな、みたいなものがわかる。ちょっと残酷な話ですが、人を選ぶ基準としても「この人はいい人だし一緒にいて楽しいけど、この人と一緒にいると私、運が悪くなるかもしれない」みたいな独自の価値観が生まれてくると思います。

 もう一つは、ありきたりですが、ありがとうとごめんなさいが言える人が素敵な大人だと思います。でも実際のところ、言うは易く行うは難しです。特にごめんなさいは大人になるとなかなか言えなくなりますよね。明らかに非があっても、ごめんなさいを絶対言わずに粘る人が、いますよね。

 どんなに注意をしていてもミスをすることはあります。その時に訂正と反省ができるかどうか。ちゃんと訂正して反省すれば、「この人は大丈夫な人だ」と周りは信用してくれるはずです。自分の非を認めることの難しさは、大人なら誰でも知っているから。

 しし座は、何歳になっても好奇心と勉強力がある人たちです。この相談もそう。未来の自分がもう少し輝くための学びというのかな。それを真剣にやるしし座、素敵です。

AERA 2024年11月18日号