大人世代のスマホ保有率が飛躍的に上がったのもコロナ禍の最中だったが、「大人女子」たちはデジタル時代にもしっかりついていっている。
「趣味」だけではない。そこから発展させる格好で「社会活動」に取り組む人もいる。
都内の殿村りんごさん(61)はマンションの一室を借りて、元ママ友らが習い事を教える場として有償で提供している。
「皆さん、いろいろな資格があったりして教えることをお持ちなんですが、一人で場所を借りて家賃を払うとなると採算を取るのが大変になります。元保育士の当の私も『ベビーマッサージ』を教えたかったので、それなら私が借りて皆で使ってはどうかと思ったんです」
■「年をとるほど元気度アップ」
英会話の先生は殿村さんの隣人だ。元航空会社のCA(キャビンアテンダント)で英検の検定員も務める。ほかにも習字、アロマなどのカルチャーからワイン、カラオケなどのエンタメまで十数講座がある。
「私たちの世代って、仕事ができても結婚すると専業主婦にならなくちゃいけなかった。だからスキルが眠っているんです。子育てを終えてふと考えると、得意技があるのだから、それを使って新しいコミュニティを作ろうとなったわけです」
まだコロナ前の4割程度の稼働状況というが、より若い世代も巻き込んで心が通じ合える場所にしていきたいという。
「福祉」に貢献したいとする「大人女子」もいる。都内の三竹眞知子さん(75)で、長年、障害者にコンピューターを教えるボランティアをしてきた経験などから、社会に役立つ事業を手掛けたいという。
「親の住んでいた土地が茨城県にあるので、そこを拠点にしたい。高齢者か女性支援か、あれこれ模索中です」
どうだろう、元気な「大人女子」たちは、コロナ後を見据えて準備万端整っているようだ。こうした姿に、先の女性生活アナリストの山本さんは持論である「女性の年齢別パワー度」とでもいうべき仮説に自信を深めている。