週刊朝日 2023年4月21日号より
週刊朝日 2023年4月21日号より

「これまでは高齢になるほどパワーダウンして先細りしていく感じでしたが、団塊以降は丸きり逆で、年齢を重ねるほどに元気度がアップしています。リタイアする夫とは正反対に、羽が生えたように外を飛び回っていらっしゃるマダムたちが大勢います。『見せたい』や『磨きたい』、『見渡したい』といった『み』のつく“み力”もどんどんオンされています」

 確かにコロナ前の勢いが復活すれば実現しそうなイメージだ。

「イメージだけではありません。実際、それが現実になりつつあります」

 こう話すのは、大人女子に詳しい「人生100年時代 未来ビジョン研究所」の阪本節郎所長だ。

「わかりやすいのが女性誌の世界です。以前なら考えられなかった60代向けのファッション誌が登場していますし、今や漫画誌を除く全雑誌で販売部数第1位は50代以上向けの女性誌です」

 ファッション誌は19年に創刊された「素敵なあの人」(宝島社)で、全雑誌で部数1位は“老舗”の女性生活情報誌が名前を変えた「ハルメク」だ。それぞれ発行会社の発表によると、「ハルメク」は昨年12月号で定期購読者数が50万人を超え、「素敵なあの人」も昨年9月時点でコロナ下にもかかわらず売り上げが前年比で1.5倍を記録したという。

■雑誌や旅行から消費爆発の予感

「素敵なあの人」の神下敬子編集長が言う。

「3回目のワクチン接種を終えたあたりから潮目が変わったように思います。近場のお買い物から始まって、60代の素敵な読者がおしゃれして街に繰り出すようになっています。必要なものには、お金を使う傾向も以前と変わっていません」

 女性誌の好調さが「先行指標」になっているとすると、「大人女子」の活動、とりわけ消費は今後大きく伸びる可能性がある。大人女子に的を絞った統計はないが、高い可能性を予見させるのが京都市が毎年行っている「京都観光総合調査」である。男女ごとに40代、50代など年代別の観光客シェアが載っているのだ。

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