井之頭五郎以上の主人公を
まさに“シン・孤独のグルメ”といえる本作への期待は、「2024年秋放送ドラマの期待度が高い作品」(WonderSpace調べ)では、大人気ドラマの新作「相棒 season23」(テレビ朝日)に次ぐ第2位となっている。
期待を高める仕掛けとして、放送開始直前までには、ゲスト主人公として第1話(太田光)と第2話(マキタスポーツ)しかされておらず、今後、その人物が明らかになる。
中村氏は、
「ぜひ主演の松重豊さんを“喰う”くらいの存在感を見せてほしい」
と期待を寄せる。
「太田さんもマキタさんもそれぞれ本業で活躍していますが、ドラマや映画でも非凡な才能を発揮しています。今後は、おじさんだけでなく若い俳優、女性の俳優の出演もきっとあるでしょう」
さらに、他の人気グルメドラマの俳優たちの名前を中村氏はあげる。
「個人的には、主演作で毎回美味しそうな料理を作って食べている小林聡美さん、同じテレ東ドラマでヒットした『きのう何食べた?』の内野聖陽さんと西島秀俊さん、朝ドラ『ごちそうさん』の主演を務めた杏さんなどにゲスト出演してもらいたいですね」
演技の中で最も難しいのは、「食べる」演技だといわれる。
だからこそ、ゲスト主人公の俳優たちが「どんな食べっぷりを見せてくれるのか」が楽しみだと中村氏は注目する。
“グルメ”で“孤独”な魅力
「孤独のグルメ」は公式YouTubeチャンネルが開設され、2025年1月には「劇場版 孤独のグルメ」の公開も控えている。
いまなお進化し続ける「孤独のグルメ」の魅力について、中村氏はこう分析する。
「人間の生命を維持するために必要な『グルメ=食』という普遍かつバリエーションが豊富なテーマに、真摯かつ丁寧に向き合う姿勢が、きっと多くの視聴者から支持されているのだと思います。そこに“孤独”という哲学的な深いフレーズが加わることで、滋味あふれる、見た人それぞれの心と胃袋に沁み入る作品になっているのだと思います」
食欲の秋、そして秋の夜長に視聴する「孤独のグルメ」を、しっかり味わいたいものだ。
(AERA dot.編集部・太田裕子)