学校内での盗撮が増えている。盗撮によって被害者が負う心の傷は深い。盗撮という犯罪に、社会は真剣に向き合う必要がある(撮影/写真映像部・東川哲也)
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 学校で子どもが子どもを盗撮する事態が起きている。スマホやタブレットの普及に加え、子どもをけしかけ盗撮を助長する大人の存在も見えてきた。AERA 2024年11月11日号より。

【写真】盗撮画像買い取り希望の書き込み

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 ITジャーナリストで成蹊大学客員教授の高橋暁子さんは、子ども同士の盗撮が増える背景には、スマホの所持年齢の低年齢化と、2019年に始まった国の「GIGAスクール構想」によって子ども1人に1台のタブレット端末が配布され、子どもたちに盗撮をする環境が整っていることがあると見る。

「しかも、SNS上には盗撮画像があふれ子どもたちの目に入ってしまいます。みんながやっていることは自分もしてもいいのでは、という気持ちになってしまうこともあると思います」

 盗撮は犯罪だ。昨年7月に「撮影罪」が施行され、他人のスカート内の下着や性的な部位などを盗撮したりした場合、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金が科されることになった。だが、撮影罪の認知度が低いため、盗撮が罪に問われることを理解していない人が多く、犯罪は減っていかないと高橋さんは指摘する。

「しかも、盗撮は非接触型の犯罪なので、相手が気づかないことがほとんど。相手が傷つくところや苦しんでいるところを見なくて済むので、罪悪感も乏しくなっています」

 盗撮画像は「商品」としても扱われる。ネット上では、匿名性の高い通信アプリ「テレグラム」や対話アプリ「ディスコード」などを使い、売り物としてやりとりされている。

 ネット上の悪質な盗撮画像などの監視を行う民間団体「ひいらぎネット」代表の永守すみれさんによれば、やりとりは、隠語を使って行われる。例えば「構内」は「校内」、「鳥」は盗撮の「撮り」の隠語。「木変え」は「着替え」を示す言葉として使われる。

「構内鳥、木変え買いたいです」は「校内の盗撮、着替え買いたいです」という意味になる。

けしかける大人の存在

「こうして学校内でしか撮影できない画像や動画を、大人が子どもをけしかけ盗撮させています。ネットで売買される際は、『姿撮り』と呼ばれ、盗撮した画像がどのような生徒かわかるようにするため、顔写真などとセットでやりとりされることが多くあります」(永守さん)

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