人生100年時代を生きるうえで、まずは自分を知ることが大切だ。自分の特徴をどうすれば見つけられるのか。AERA 2024年11月4日号より。
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人生戦略を考えるために、自分について知りたい。そんなとき、就職活動のときに行う「自己分析」が使えるんじゃないかと思い、パーソナリティー心理学が専門の早稲田大学の小塩真司(おしおあつし)教授に話を聞いた。
──自己分析でどんなことがわかるんですか。
自分に何か潜在能力があるんじゃないか、自分はどんな仕事に向いてるんだろうと、自己分析する人もいるかもしれませんが、それは自己分析では完全にわかりません。
どんなポテンシャルがあるか、何に向いているかは、実際に働いてみないとわからないと思います。
──では何のために自己分析するんですか。
何かしなきゃいけないことがあって、どうやったら自分がうまくこなせるか。そんなとき、自己分析をすることで、自分の中で最適な取り組み方を見つけるのはどうでしょう。
例えば、「行動しないといけないけれど、やる気が起きない」といった、ハードルを乗り越えなければならないとき、自分の特性を理解してハードルを越えるのです。
ご褒美に弱いタイプであれば、自分にどうやってご褒美を与えるかとか。不安で行動できないのなら、不安を弱めるために毎日少しずつ行動するとか。他人の評価が気になりすぎるなら、むしろ評価されないところに身を置くとか。自分の特徴を見極めて行動すれば、うまくいくかもしれません。
自分を知っていれば、目の前に選択肢があるとき、「自分はこういうときにわくわくするからこっちを選ぶ」という行動もできます。
──どうすれば自己分析できますか。
自己分析とは、自分で自分を理解することです。自分はこういう経験をしてきて、どういう人間で、どういう特徴がある。こんな自己紹介ができれば、自己分析できていると思います。「新しいものに出合うのが好きなので、この前美術展に行きました」みたいなイメージでいいと思います。