現役引退時には、野球はやり切ったという感じはあったはず。しかしその後、巨額詐欺に遭うなど金銭的に苦しい状況に追い込まれた。監督に就任する前には48歳で現役復帰を目指し、12球団合同トライアウトに参加もした。他の野球人とは違う道を歩み、様々なことを経て古巣に指揮官として舞い戻った。
監督就任後は苦しんだ時期もあったが3年目の今年は“違い”を見せた。
2022年の就任後から2年連続でチームは最下位となったが、その間に将来を担う若手を育成。今シーズンは自らが手塩にかけたプレイヤーたちが中心となってリーグ2位に。クライマックスシリーズ(CS)のファイナルステージでは巨大戦力を誇るソフトバンク相手に敗れ去ったが、それでも“過渡期”に差し掛かっていた日本ハムを短い期間で立て直した指揮官としての能力は誰もが認めるところだ。
「2年連続最下位から2位まで躍進させた手腕への評価は高い。早くも他球団の監督候補や将来の日本ハムフロント入りという声も聞こえる。知名度も抜群に高いので芸能界を含めて他業界からも引く手あまた。今後の生活には困らないはず」(スポーツマネジメント会社関係者)
現役時代に最初にプレーした古巣の阪神ファンからのラブコールも止むことはない。また若手育成力の高さもあり「日本ハムのGMになるのでは」という話もある。本人が望めば監督を含めて球界で仕事を続けることも可能だという。だが、将来的なことは自由気ままな新庄監督だけに読めない部分が多い。
「日本ハムでうまく回っているのは吉村氏が自由にさせてくれているからだと思う。阪神のような伝統球団では今のようにはいかないかもしれない。基本的には直感で動くタイプなので、やりたいことが見つかれば野球界から再び離れることも考えられる」(新庄監督をよく知るスポーツライター)
「元サッカー日本代表・中田英寿氏はサッカー界とは完全に一線を引き、日本の文化など、興味があることをビジネスにしている。方法は異なっても中田氏のように、自分の人生を好きに生きる道を選ぶ可能性も高い」(スポーツ新聞野球担当デスク)