故・寛仁親王の長女で、三笠宮家の彬子さまも、個性あふれる着物をお召しだ。
12年の秋の園遊会では、青竹色に絞り染めの松が大きく表された本振袖に、重厚感のある華文が織りだされた帯を合わせた豪華な装いだった。
07年の秋の園遊会で、寛仁親王と仲良く招待者の間を歩いているのは、寛仁親王の次女で三笠宮家の瑶子さま。象牙色の本振袖には、落ち着いた朱色の秋草とかずら帯が全体に描かれた明るい柄行。シルクハットと傘を手に前を歩く父の寛仁さまと瑶子さまのやわらかい表情に、心温まる一枚だ。
傘と着物の絶妙な調和
ファンの多い女性皇族のひとりが、語学堪能で幅広い人脈を持つ高円宮家の久子さまだ。
雨の園遊会では、女性皇族の傘の色といった小物使いも楽しみのひとつ。和装の美しさはもちろん、傘の色や柄までを計算し、絶妙なコーディネートを見せるのが久子さまだ。
10年の春の園遊会では、美しい白菫色の布地に、直線を交差させてできる幾何学文様に菊を組み合わせた「菊菱文様」があしらわれた訪問着。黒地に金や朱で織りだされた宝相華の帯を格調高く組み合わせ、雨傘に描かれた紫の小花と着物の小花が品よく調和していた。
18年春の園遊会では、白く染め抜き柄を描く「白あげ」の訪問着に抹茶色の帯を品よく合わせた。骨の多い和傘のようなデザインの金茶の傘が美しく映えていた。
先の泰三さんもこう話す。
「久子さまは、洋装のセンスも上手に取り入れて着物をお召しです。真珠の帯留めや指輪などを品のよい装身具を品よく身につけ、傘の模様や色まで調和させていらっしゃる」