慶大の清原正吾
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 願いは届かなかった。ドラフト会議が開始してから3時間半が経ち、育成ドラフトが終了。プロ志望届を提出していた清原正吾(慶大)の名前が呼ばれることはなかった。

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 西武巨人などで活躍した清原和博氏の長男ということもあって、今年のドラフト候補の中でも注目度はトップクラス。横浜市内の慶大校舎内に会見場が設けられ、多数の報道陣が待機したが、指名されなかった清原が姿を見せることはなかった。

 慶大の堀井哲也監督が取材に対応し、「本人も現実を受け止めている。多くの注目をいただいて励みになった」と感謝を口にした上で、今後の去就については「雑談の中での話」と前置きしつつ、「まずはリーグ戦に集中したい。その先のことはまだ何も決まっていないと話していた」と説明した。

「支配下枠での指名は厳しいというのが大方の見方で、チャンスがあるとしたら育成枠だった。指名はされませんでしたが、ここまで注目される彼の頑張りは本当にすごいです。清原和博の息子という色眼鏡で注目された部分は間違いなくありますが、彼はその境遇を受け入れて凄い速度で成長していった。中学、高校と野球から離れていたのに、大学から野球を再開して4年生から慶大の4番を打ち、神宮球場のバックスリーンに本塁打を叩きこんだ。プロ志望届を出して、もしかしたらとロマンを抱かせてくれた。そんな選手は今までいませんでした」(アマチュア野球を取材するフリーライター)

 小学3年からオール麻布で野球を始めたが、中学ではバレーボール部、慶応高ではアメリカンフットボール部に所属。6年のブランクという表現より、新たな競技を始めたという感覚の方がしっくりくるかもしれない。慶大で野球部に入り、最初はキャッチボールさえ満足にできず守備練習でもミスを繰り返したが、地道に努力を積み重ねた。4年春のリーグ戦で「4番・一塁」の定位置を勝ち取り、一塁手のベストナインにも選ばれた。今秋は明大1回戦で9回2死からバックスクリーン直撃の同点ソロを放つなど、リーグ戦で2本のアーチを放った。

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ドラフト後だから明かせる、プロスカウトの清原評は