今川秀悟
プロのスカウトは「力量を図る時間が少なすぎた」
ドラフトを終えたから、明かせる部分もあるはずだ。プロのスカウトはどのように評価していたのか。在京球団のスカウトは「ウチは指名を考えていませんでした」と明かす。
「決して能力が低いと判断したわけではありません。むしろ、目を見張るほどの潜在能力を見せてくれた。慶大戦で彼のプレーを見るのが楽しみでした。ただ、今後の伸びしろを含めて力量を図る時間が少なすぎた。決定的に足りないのは実戦経験です。試合に出ることで覚えることが多いですし、フィジカルも鍛える必要があります。お父さんに似て恵まれた体格ですが、まだまだ線が細い。独立リーグやNPBのファームに参入している2球団に入団して、試合に出続けたほうがいい。野球を続ける情熱が残っているなら、ここで辞めるのはもったいないです」
今年からNPBのファームにオイシックス新潟、くふうハヤテの2球団が新規参入し、セ・パ12球団の2軍と公式戦を戦った。そのうちウエスタン・リーグに参入したくふうハヤテが清原の獲得に乗り出す方針だとスポーツニッポンで報じられた。ハヤテでプレーする選手は、清原についてこう語る。
「ウチに来てくれるんですかね？ 一緒にプレーできるんだったらありがたいですよ。注目度が上がりますし、一緒にプレーする選手たちの刺激になる。ただ覚悟は必要です。遠征では新幹線や飛行機は使えず、長距離のバス移動は当たり前。練習や試合の準備は自分たちでしなければいけない。グラウンドを離れても、合宿所暮らしで食事、洗濯は自分でします。施設や環境面で言えば、大学時代のほうが恵まれていたと思います。野球が本気で好きで、NPBを目指す強い志がなければ続かないですね」
ドラフトで突きつけられた現実は厳しかった。オイシックス新潟、くふうハヤテの2球団からドラフトで指名されたのは、育成ドラフトの2人のみ。オイシックス新潟のサブマリン右腕・下川隼佑がヤクルトの育成3位、くふうハヤテの早川太貴が阪神の育成3位でそれぞれ指名された。今季イースタンリーグで打率.323をマークして首位打者、最多安打（129本）を獲得したオイシックス新潟の知念大成は、指名を予想する声が多かったが、最後まで名前が呼ばれることはなかった。
稲垣えみ子
竹増貞信
西崎彩智
