別荘の価格は約38億円との報道も
今回、ヘンリー王子夫妻が購入した別荘は、ユージェニー王女夫妻の家のすぐ近くだ。ビーチ沿いに位置し観光客が少ないため、プライバシーを尊重する富裕層の注目を集めているエリアで、全ての施設が完成すれば300軒の高級住宅が立ち並ぶという。
別荘の価格はメディアにより違いがあるが、約38億円とも言われ、その購入資金の一部はヘンリー王子が40歳の誕生日に受け取ったとされる曾祖母エリザベス皇太后(故エリザベス女王の母)の遺産約12億円が使用されたのだろうか。
2人が別荘を購入した理由は、11月の大統領選挙でトランプ氏が勝てば、アメリカに住みにくくなるからだろう。また、ロンドンとポルトガルは飛行機でわずか2時間半。これだけアクセスが良ければ、ヘンリー王子のイギリスの友人たちが遊びに来てくれるはずだ。英王室のメンバーと再び交流し、慈善活動での活躍ぶりをアピ―ルすることもできるだろう。父と兄ウィリアム皇太子(42)と和解の動きが見えない中、まずは英王室内の親しい人との交流を持ち、徐々に英王室の輪の中に復帰しようとしているのかもしれない。
なぜ、いまサーフィンや別荘購入のニュースなのか
それにしても、4年前から始めたサーフィンや以前に購入したとされるポルトガルの別荘のニュースが、なぜ今、公になっているのか。それはチャールズ国王とカミラ王妃(77)のオーストラリア、サモア外遊にかぶせたとする見方が強い。
チャールズ国王にとって即位後、初めての海外訪問だが、オーストラリアのアルバニージー首相は、現在の立憲君主制を廃する共和制論者だ。チャールズ国王は国家元首としては、これが最後のオーストラリア訪問になる可能性があるとして注目されている。オーストラリア訪問のために、がん治療を一時停止した。ヘンリー王子がポルトガルに家を購入したニュースには、全く関心がないようで、周囲に「自分は今もっと大きなことに集中しなくてはいけない」と話しているという。
ハリウッドでの活躍を目指すメーガンさん
オーストラリアといえば、ヘンリー王子とメーガンさんが結婚直後に訪問した場所だ。現地では数多くの公務をこなしたが、メーガンさんの人気は高く温かく迎えられた。メーガンさんが沿道に立って待つ人々と笑顔で握手をすると、誰もが大喜びした。だがしかし、裏では同行のスタッフに「あの人たちはいったい何なの。バカみたい」と言い放っていたという。外国滞在中は、訪問団全員が一つのチームとして動かなければならないが、メーガンさんは主役ではないことへの不満と怒りを募らせていたという。
この度のポルトガルの別荘に話を戻せば、アメリカ・ハリウッドでの活躍をあきらめないメーガンさんはヘンリー王子と共に引っ越すのだろうか。アメリカとポルトガルにそれぞれ住まいを所有するならば、それは2人の「別居の始まり」との声も上がる。
(ジャーナリスト・多賀幹子)
*AERAオンライン限定記事