「SARS(重症急性呼吸器症候群)などの流行から潔癖な人も多く、コロナ禍ではスマホをトイレのハンドタオルペーパーに包んで持ち歩いたり、アルコール消毒をしたりしていましたね。さらには電波が強いので、トイレだろうとどこだろうとどんな動画もものすごく速くダウンロードできる。香港のスマホあるあるです」(Mariさん)
役に立ちそうな発明品
ちなみに、おしゃべりが大好きな香港人は音声チャットを使っている人が多く、スマホでのメッセージのやり取りでも音声データを使用。そんな香港人がトイレ使用中によくとる行動は「SNSの利用」(61.1%)、「ゲーム」(40.3%)、「ビデオ、映画、テレビ番組の視聴」(36.5%)、「ニュースの閲覧」(34.2%)、「電話やメッセージ」(31.3%)。筆者の友人の香港人(30代)は、この結果に「トイレの中ってヒマでしょ? ゲームしたり音楽聴いたりしないと間がもたない」と納得顔だ。
“トイレでスマホ”が珍しくなくなっている時代に、役に立ちそうな発明品もある。帝京大学理工学部の叶内茉奈さん、高野知美さん、根岸祐佳さんの3人が開発した「お前、忘れ物し棚…?」だ。トイレ内の小物置きにも置けるサイズで、この上にスマホを置いたまま離れると、センサーが反応。「お前、忘れ物したな!」と、可愛らしい音声が注意を促してくれる。
とはいえ「トイレにスマホなんて持ち込まないよ」と思っている人もいるだろう。最後に、日本食中毒防止協会の中島専務理事の声をお届けしたい。
「パンツのポケットにスマホを入れているんで、持ち込んでないつもりでしたが、普通に持ち込んでました」
人ごとではないのである。(ライター・羽根田真智)
※AERA 2024年10月28日号より抜粋