ぱやぱやくん最新作『社会という「戦場」では意識低い系が生き残る』より(イラスト:なかきはらあきこ)
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「相手に興味を持て」と言われることは多いですが、何に対して関心を持つべきでしょうか? 趣味や過去の経歴を掘り下げるのではなく、「これから何をしたいか」「どんな未来を目指しているか」を聞くことこそが、相手との真の理解につながります。過去ではなく、未来志向の対話を通して、他とは違う特別な関係を築いてみませんか? 「相手の関心に関心を持つ」ことが、良好な人間関係の鍵となる理由を、著者最新作『社会という「戦場」では意識低い系が生き残る』から抜粋・再編集してお届けします。

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 ときどき「相手に対して、関心を持て」と言われることがあります。

 では、このときには、いったい相手のどこに関心を持つべきなのでしょうか。

 たとえば、相手の趣味や家族構成などのプライベートなこと、もしくは出身校や前職など過去を根掘り葉掘り聞くことでしょうか。
 

 私はそうではないと思っています。

 相手に対して興味を持つのであれば、相手が「これから何になりたいか」とか「これから何をやりたいか」を共有することのほうが重要だと思います。

 たしかに、相手のプライベートや過去を知ることも重要です。

 しかし、プライベートや過去の話を聞き出すことは、現代ではセンシティブなこととされています。また、相手に対して偏見などを持つことにもつながってしまいます。
 

 たとえば、私は、防衛大学校から陸上自衛隊にいた経歴があります。

 そのため、よく「過去の訓練はどうだったか」などと聞かれることがあります。

 私はそのような質問をされているときに、全く違うことを考えていました。

 つまり、私が本当に話したいのは、「匍匐前進をしていた過去」ではなく、「これからやりたい仕事」なのに、ということです。
 

 そうは言いつつも、これはなかなか難しいことでもあります。

 職場のメンバーなどの相手に対して「相手がこれから何をしたいのか?」と聞き出すためには、そもそも相手が心を開いてくれなければなりません。

 このようなことを、直接聞いたとしても、普通は教えてくれないからです。

 そういうときには、そのまま思ったことを素直に言葉にするのが一番でしょう。
 

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話の内容を、過去ではなく「未来」にすることで差別化できる