宮崎氏の名前に維新は警戒感
2021年の前回知事選で斎藤氏を推薦した維新は、斎藤氏の疑惑を受けて、批判を受ける立場になった。衆院選の候補者からも「今回の選挙が厳しい情勢なのは、斎藤氏の問題が影響している」と怒りの声が上がっている。
今回の知事選で維新は、元アナウンサーで維新の参院議員、清水氏を擁立すべく動いていた。清水氏は離党して無所属での出馬を表明したが、それでも維新は清水氏の支援にまわるとみられている。
維新の県議は、こう警戒感をあらわにする。
「突然の知事選で短期決戦。清水氏は民放局のアナウンサーで顔が売れていることが大きな理由で出馬が決まった。しかし、今もバリバリ、奥さんとともにテレビに出ている宮崎氏が出るならえらいこと。奥さんの金子氏が応援にくれば、うちは吹っ飛んでしまう」
手慣れた様子でサインに応じる斎藤氏
一方、出直し選挙となる斎藤氏は、衆院選の公示直前まで、兵庫県内の駅前に毎朝7時半から1時間ほど立って、
「おはようございます」「いってらっしゃい」
と挨拶を繰り返していた。
サインを求める人がいると、「お名前は?」と尋ねながら、
〈元兵庫県知事 斎藤元彦〉
と手慣れた様子でペンを走らせていた。
中には、「これで3回目です」と、“追っかけ”のような女性もいて、斎藤知事に手紙を手渡す場面もあった。
斎藤氏はほとんど更新していなかったSNSを選挙戦に向けて“復活”させ、7月の都知事選で2位に躍進した広島県安芸高田市の前市長、石丸伸二氏がかつて登場していたYouTube番組に出演するなど、ネットを活用した運動を進め、「石丸方式」とも呼ばれる選挙スタイルを展開している。
それも影響してか、ネットでは、
〈さいとう前知事がんばれ〉
〈さいとう元彦頑張れ〉
などというキーワードがトレンド入りし、ネットで注目を浴びている。
また、石丸氏の「軍師」だった選挙プランナーの藤川晋之介氏は、
「斎藤氏が失職してまもなく、知人の大学教授の紹介で斎藤氏から電話があった。知事選を助けてほしいという内容だった」
とも明かした。
斎藤氏の選挙を手助けするかどうかについて、藤川氏は、
「私は維新の国会議員秘書もやっていたため、参院議員の清水氏はよく知っている仲だ。まだ斎藤氏の要請に返事をしていない。ただ、私も大阪人で同じ関西なので、石丸氏のときのようにお手伝いをとの思いはある」
と含みを持たせている。