清原和博氏

最後のシーズンでインパクトある本塁打

 4年に入ると、想像を超える成長曲線を見せ始めた。「4番・一塁」に抜擢された今春のリーグ戦は13試合出場で打率.269、7打点。一塁のベストナインに選ばれた。8月31日のプロアマ交流戦に東京六大学選抜で出場すると、日本ハムの2年目左腕・山本晃大の内角に食い込んでくる直球を左翼ポール際に運ぶ本塁打。バックネット裏のスカウト陣から「おおっ」と驚きの声が漏れた。

 そして、大学ラストシーズンとなる秋のリーグ戦でも本塁打が飛び出した。9月28日の明大戦で、1点差を追いかける9回2死で相手右腕・大川慈英の高めに浮いたカットボールをバックスクリーンに叩きこむ貴重な同点ソロ。さらに、翌週の東大戦で、アンダースロー右腕・渡辺向輝のカーブに泳ぎながらも左翼席に運ぶ2号ソロ。渡辺はロッテで活躍したサブマリン・渡辺俊介の長男で「ジュニア対決」と注目されたが、結果を出したのは清原だった。

 セ・リーグ球団の編成担当は、「彼にとって本意ではないかもしれないけれど、どうしてもお父さんと重なってしまう。明大戦の同点ソロもそうだし、東大戦の2号もそうだけど、インパクトを与える1発を打っている。技術的に見ても器用だし、打球に角度をつける感覚を身につけつつある。正直、今の実力だけで言えば支配下枠での指名は厳しい。でも、育成ドラフトで指名に掛かる可能性はあると思います」と評価する。

 かつてNPBで指導者を務め、現在は独立リーグで指導する球団OBは、「ウチに来てほしい。2年後にプロの本指名に掛かる力をつけさせますよ」と言葉に力を込めた上で続けた。

「プロのスカウトも評価が難しいと思う。中学、高校で野球から離れて、大学からプロ入りした選手はなかなかいない。ただ、他の競技をやっていたことがプラスになっている部分もあると思います。清原は恵まれた体格なのにフットワークが俊敏です。守備で足の運び、スローイングもうまい。努力をしてきたことはもちろんですが、アスリートとしてのセンスを感じます。プロに入ったら、一塁だけでなく三塁、外野に挑戦するべきです。彼だったらできますよ。アメフトから野球に挑戦するより、ハードルが低いですから(笑)。大卒ですが、即戦力というタイプでなく、2、3年後に1軍を目指して化けるかという立ち位置でしょう。支配下枠の人数の問題がありますし、現実的には育成枠で指名になると思います。もし指名漏れしても野球を辞めてほしくない。まだまだ伸びるのにもったいないです」

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サプライズ指名で有名なあの球団が指名する可能性も?